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海外旅行中に困ってしまいがちな「洗濯問題」
3日以上の日程で海外旅行に出かける場合に、意外と馬鹿にできないのが「洗濯問題」です。日数分の下着や靴下、ハンカチなどの替えを持参したら、長期旅行の場合はどうなるでしょう?それだけでトランクの中で大きな面積を占めてしまいますね。これは消えてなくなる食料品などとは違い、ずっと持ちあるくことになります。
もし出発時点で既にトランクが着替えでぎゅうぎゅうになっていたら、困ります。旅行先で見つけたお土産や、自分の買い物などを入れる場所が無くなってしまうからです。海外では思ってもみなかった「ほしいもの」に出会う可能性が高く、旅行中には意外と荷物が増えてしまうものです。できれば出発時には、トランクの半分は空にしておくくらいの荷物量がベストですね。
買ったものを持参することを想定する理由は、日本とは違い「国際宅配便」などの荷物送付サービスは海外では望めないからなのです。仮に使った場合には非常に高額になりますので、あまり現実的な解決策にはなりません。
清潔でいたい、でも持参する着替えは少なくしたい。さらにヨーロッパなどの周遊ツアーの場合には、ホテルの滞在日数が1か所で2泊がせいぜい。短期間に洗って乾かす必要があります。
家に居たらあまり気にならない洗濯物をどうやって処理して、うまく着まわせるか。これが長期海外旅行につきものの「洗濯問題」なのです。
ホテルによってはランドリーや洗濯サービスがあるところも
滞在するホテルによっては、ランドリー施設が併設されている場合があります。特に長期滞在者が多い可能性が高いリゾートホテルの場合は、旅行者にとって便利なように、洗濯機だけでなく、乾燥機までついているところもあります。もし滞在するホテルに、このようなランドリーがあったら「洗濯問題」が一気に片付くので、これを活用しない手はありません。
さらにホテルによっては洗濯・クリーニングサービスが有料で受けられるところもあります。よくホテルのクローゼットに入っている「ランドリーバッグ」。あれに入れて出すと、日中、観光などに出かけている間に洗濯をしてくれるので、とても助かります。ちょっとお値段は高いですけれど「洗濯問題」から解放されるための一つの選択肢でしょう。
この「ランドリーバッグ」を出す際に気を付けることは、水洗いか、ドライクリーニングかを指定しなければならない点と、最も大切な仕上がり時間をしっかり確認することです。今日の朝に出して、今日の夕方までに受け取れるのか、明日ならば何時に仕上がるか、を確認しておかないと、洗濯物が返却される前に出発時間が来てしまった、ということになりかねません。
また洗濯時の取り扱い札のマークは、主要国では共通なのですが、繊細な素材のブラウスやニット類は、できるだけ現地のホテルで洗濯・クリーニングには出さない方が賢明です。万一型崩れやクリーニングによる傷がついた場合に、保証の問題が出てしまうからです。食べ汚しなど緊急に対処しなければいけない場合を除いて、できれば帰国してから日本でクリーニングに出すことをおすすめします。
一方アジアのリゾート地では、ホテル直営でなくとも、現地の人が「ランドリーサービス」を提供しているところもあります。ホテルの周辺で「Laundry Service」という看板を見かけることもあります。この場合は現地価格なのでお安い上に、あまり時間がかからないのが魅力的です。
でも出来栄えは、安心して全てを出せる程ではありません。あくまでも家庭でのお洗濯の範囲ですから。他の国の人は、こういった現地の人の洗濯サービスには、下着類やTシャツなど、失敗されても大丈夫な洗濯物のみを依頼しています。賢い選択ですね。
海外旅行中に自分でできる洗濯方法とは?
下着類。女性の場合、これを他人に洗ってもらう、という点に抵抗がある方が多いのではないでしょうか。できればホテル併設のランドリーで洗いたいけれど、もしもランドリーが無かった場合には、どうしたらいいでしょうか。
またツアーの場合には、同じホテルに2泊程度までしか滞在しないのが一般的です。そうなると、一晩で洗って乾かさなければなりません。
じゃあどうしたらいいの?とお悩みの方も多いでしょう。そこでこの「洗濯問題」から脱出するとっておきの方法をお教えします。
手で洗おう
下着や靴下、ストッキングやハンカチは、できればその日のバスタイムに綺麗に洗ってしまいましょう。洗剤はホテルにあるボディシャンプーでも、固形石鹸でも十分です。気になる人は「部屋干し用」の粉せっけんを日本から持参してもいいですね。
おすすめの洗い方は、洗面台とバスタブの両方を使うことです。まずバスタブには、ふくらはぎの半分くらいまでの綺麗なお湯を張っておきます。洗面台の周りには水がはねてもいいように、貴重品類はどけておきましょう。
準備ができたら洗面台で洗濯もの1点ずつに洗剤を付けて洗います。洗面台の斜めのボウル部分の傾斜を利用して洗いましょう。下着類は1日ではそんなに汚れてはいません。むしろ問題になるのは汗なので、全体に軽く洗剤をつけて、汗汚れをなじませる程度で大丈夫です。ゴシゴシ洗う必要はありません。
洗い終えてかるく絞ったものを、バスタブのお湯の中に入れます。これを繰り返して、全部の洗濯ものがバスタブの中に入ったら、バスタブの傍に膝をついて、全部をよくすすぎ、一点一点を軽く絞ります。
1回目のすすぎが終わった洗濯物を、今度は洗面台にお湯を貯めて、1枚ずつもう一度すすぎます。これで汗を綺麗に落とした洗濯物ができます。
バスタオル巻きで脱水しよう
すすぎが終わった洗濯物は、1点ずつ、できるだけ端から細かく刻むように絞っていきましょう。この時、いきなり全部を絞ろうとすると、意外に力が必要なうえに、絞りきれないので止めておきましょう。また洗い物が繊細な素材のものである場合には、無理をして絞るのはやめましょう。普通の下着類でも無理に力をかけると、破れたりしますので、そこまでがんばらなくても大丈夫です。
手で絞り終わった洗濯物を、今度はホテル備え付けのバスタオルに1枚ずつ重ならないように広げます。そして海苔巻きを作る要領で、端からグルグルとタオルを巻いていきます。巻き終わったタオルを、今度は力いっぱい押しましょう。力が弱い女性の場合は、端から端まで、小刻みに踏むことをおススメします。
こうして水分をとった洗濯物を、バスルームのバスタブのあたりに設置されている、引っ張り出せる紐にかけていきます。そして一晩中換気扇を付けておくと、翌朝にはかなりの確率ですっかり乾いています。残念ながら翌日に半乾きの状態の場合でも、もし連泊であればクローゼットのハンガーにかけておけば、お掃除の人の目にも止まらずに乾かすことが可能です。移動日に当たっている場合は、ジップロックなどに入れて、周囲に湿気が漏れないようにしてトランクに入れましょう。
寒い季節には、下着も靴下も厚くなりがちで、どうしても乾きにくくなります。でも安心してください。寒いということは、空調が入っており部屋は乾燥しています。その場合はむしろベッドルームのスタンド照明などに引っ掛けておくと、室内の加湿にもなりますので、一石二鳥です。
ホテルによっては窓際にオイルヒーターが設置されている場合があります。その上に干したら、間違えなく厚手のものでも、翌日にはホカホカに乾いていますので、ぜひご利用ください。
手で洗えるもの、洗えないもの
自分で手洗いすると、人に見せたくない、触られたくない下着や靴下、ストッキングなどを、自分で手入れできてストレスが減少します。そして海外旅行に持参する着替えも減らすことができるのです。洗濯ができない日を想定して、だいたい3日分の着替えがあれば、半月位の旅行でも乗り越えることが可能になります。洗濯ものを貯め込むと作業が大掛かりになりますので、面倒でも毎晩こまめに洗濯をすることをお勧めします。お風呂に入る時に一緒に洗ってしまう、というのもいいアイデアかもしれません。
ただし、ニットや繊細な素材のおしゃれ着は自分で手洗いするのは難しいので止めましょう。ニットの場合は、バスタオル巻きでは脱水が不十分な上に、干すときに型崩れを起こしやすいからです。繊細な素材のおしゃれ着も同じ理由です。
これらを「食べ汚ししてしまった」など、どうしても海外旅行先で緊急に処理したい場合には、ホテルのランドリーサービスを利用するのが無難でしょう。それ以外の場合は、日本に帰国後、クリーニングに出すことをおすすめします。
海外旅行に持っていきたい!おすすめの洗濯アイテム
洗濯用品
●針金製のハンガー
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以前はクリーニング屋さんでよく使われていましたが、このところすっかりプラスチックハンガーに押されてしまっていますね。でも「ワイヤーハンガー」の名前でまだAmazonなどで購入できます。
針金ハンガーの良いところは、持参する時にかさばらないこと、そして形をある程度変えることが可能な点です。例えばキャミソールなどを干す場合、ハンガーの肩の部分を少し凹ませてキャミソールのひもをそこに引っ掛ければ、滑り落ちることがありません。また室内にハンガーを掛ける場合でも、首を変形させることができるので、意外なところにも引っ掛けることができます。
ハンガーにかけることで、より乾きやすく、型崩れしなくなりますので、海外旅行の「洗濯問題」解決には一番のおススメです。持参する際にはバラバラにならないように輪ゴムで肩口や首元をしっかりと閉じておきましょう。この輪ゴムも後で役に立ちます。
●洗濯ピン
下着類は化繊の場合が多いですね。これは乾きやすくて良いのですが、針金ハンガーにかけると滑り落ちやすいのです。またショーツ類は形の関係上、やはり針金ハンガーから滑り落ちてしまいがちに。それを防ぐためにも、できれば小さくてもいいので、針金ハンガーの数の2倍ほどの洗濯ピンを持参しましょう。ちょっと留めるだけで、綺麗に乾かすことができます。
●輪ゴム
ハンガーをまとめたり、滞在先のランドリーで使う粉せっけんを購入した場合に使い切れなかった分を保存するのに輪ゴムは意外に役立ちます。また洗濯物を干す紐が無い、場所が足りないなどの場合に、輪ゴムをつなげて簡易紐を作って設置することも可能です。輪ゴムは海外旅行の洗濯で、意外と大きな力を発揮しますので、針金ハンガーをまとめる分5-10本持参していると、心強いですよ。