【海外旅行】一度は訪れたい!文化や絶景を楽しめる世界遺産特集

そもそも「世界遺産」ってどんなもの?

わかっているようで、登録基準など知らないことの多い世界遺産。世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいて登録された、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ場所や建築物のことをいいます。

基本的に、移動が不可能な「不動産」が対象となっていて、それ以外 特有の風習や文化などは世界文化遺産、自然遺産を世界自然遺産と慣習的に呼んでいます。

では、世界遺産はどのような基準で選ばれているのでしょうか?詳しく見ていくと、細々と難しいたくさんの基準がありますので、ここではざっくりと簡単な言葉で見てみることにしましょう。

  • 人類の創造性を示す傑作
  • 記念碑となる存在
  • 最高の自然現象、自然美
  • 生きた伝統と関連するもの
  • 稀有な出来事、存在

これらをさらに細分化させた厳しい審査と、その国の法律・管理体制などをかんがみた上で、世界遺産として認定されます。人類の歴史に大きな価値を持つもの、素晴らしい大自然など、心に響くこと間違いのないもの。

ちなみに、世界遺産条約を締約した国は、将来世界遺産リストに登録する計画のある物件を「暫定リスト」としてUNESCOに提出しないと審査されません。これは意外に知られていないことかもしれませんね!

最近では世界遺産を見に行く海外ツアーも多い

死ぬまでに一度は世界遺産を見に行きたいけど、海外が苦手だし、行けるかな?辿り着く自信がない…なんていう方も、ご安心ください!今は多くの世界遺産をめぐるツアーがありますよね。現地で開催されるツアーもあれば、日本で申し込み、日本人ガイドに案内してもらえるツアーもあります。ツアーであれば、個人ではなかなか入れないような部分へ入ることができたり、という特典もあります!

日本を離れるところから、日本に帰ってくるまで手取り足取り、なにもせず世界遺産を堪能できるツアー。はたまた、現地でその場所まで連れて行ってくれて残りは自由に過ごせるというような、自由気ままなツアー。今は、ご自身の好きなペースに合わせてストレスなく回ることができるようになりました。

最近では、SNSで現地の人とつながって現地を案内してもらうこともできますよね!地元の人しか知らない、世界遺産の楽しみ方も教えてもらえるかもしれません。

歴史的建造物を見ることができる世界遺産

歴史的建造物を見ることができる世界遺産①モンサンミッシェル

言わずと知れた、行きたい世界遺産、そして行ってよかった世界遺産のひとつ。

8世紀、大天使ミカエルのお告げにより、礼拝堂が建立されたのが始まりといわれています。13世紀に修道院が建設され、現在のような姿になりました。その後監獄として使用されていた時期もありますが、修道院として復活。パリからも遠く離れた場所ながら、現在は世界中から人々が集まる一大観光地です。

干潮時には道が現れ、満潮時には周りは水で満たされる。その海に浮かんだような光景は幻想的でとてもロマンティックです。

約10年の整備工事期間を経て、島と対岸を結ぶ新たな橋ができあがり、観光もまた便利になりました。島の眺めをたっぷり楽しみながらのアクセスが可能になったのも嬉しいところ!

朝の干潮時には、羊が放牧されています。潮を浴びた牧草を食べる羊、そのお肉も独特の味わいをもち名物となっています。巡礼者のために作られた名物のオムレツはとても有名ですね。スフレのようなふわふわの味わいは格別!

その美しい眺めだけでなく、修道院内にも見所の多い世界遺産。世界遺産をめぐる旅行通も「行ってよかった」トップ3にあげるほど、感動が大きい場所です。
憧れている方も多いのではないでしょうか?

歴史的建造物を見ることができる世界遺産②ガウディの作品群

スペインを代表する芸術家・建築家のアントニ・ガウディ。かの有名なサグラダ・ファミリアをはじめとした、バルセロナ市内の彼の作品群はまとめて世界遺産として登録されています。

中でも、写真のカサ・バトリョはそのユニークすぎる見た目で圧倒されてしまいます!1877年に建設されたもので、大繊維業者ジュゼップ・バッリョ・イ・カザノバスの依頼を受け、ガウディはこの邸宅の改築を行いました。外観が大きな窓があくびをしているように見えることから「あくびの家」、バルコニーの柱が骨のように見えると「骨の家」と別名で呼ばれているそう。なんともかわいらしい呼び方です。

ガウディ独特の有機的で生物のようなフォルム。街の中にアート作品があるようなイメージですね。この建物のテーマは海。外壁に埋め込まれた色とりどりのガラスモザイクは、地元の会社から譲り受けた廃棄物のガラスや陶器の破片を利用したものだそう!

歴史的建造物を見ることができる世界遺産③森の墓地

スウェーデンの首都ストックホルム郊外にある、大型の墓地。ストックホルム中心地からも地下鉄一本、とアクセスも比較的楽な場所にあります。

スウェーデンの巨匠建築家、エリック・グンナール・アスプルンドが、生涯をかけて築いた「森の墓地」。門を抜けるとすぐに、シンボリックな十字架が迎えてくれます。その横に一本細い道が伸び、まるで絵のような眺めです。

広大な針葉樹の森には、約10万もの墓石が木漏れ日を浴びてたたずみ、さながら森の中に迷い込んだような気分になります。

「墓地」というと、行って何をしようと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、こちらは日本でいう「墓地」のイメージとは異なり、とても明るく開放的。ベンチも多くゆったりとした時間を味わうことができます。建築的な価値も非常に高く、クラシックな装飾を持ちながらも現代的でモダンな印象を醸し出しており、後世の多くの建築家を刺激しました。

歴史的建造物を見ることができる世界遺産④アルハンブラ宮殿

スペインの古都、グラナダの丘の上に静かに佇む壮麗なアルハンブラ宮殿。この宮殿が建設されたのは、この地にイスラム教徒によるグラナダ王国が建国された13世紀以降のことです。スペインにおいて美しいイスラム建築を味わう事のできる、唯一無二の存在感を放っています。

アルハンブラ宮殿の意味は「赤い城」。この地に根付いたイスラムの歴代の王により受け継がれました。19世紀は廃墟同然だったこの地は、アメリカ人作家によって世界に紹介され現在では一大観光地となっています。宮殿のいたるところにイスラム特有の幾何学模様=アラベスクが用いられ、その超絶的な技術力と美しさに圧倒されます。

王の居住空間でもあり、宮殿の中心であるナスル朝宮殿には「二姉妹の間」と呼ばれる鐘乳石飾りの美しい空間が。最もおすすめの場所です。

この地がキリスト教徒によって奪還されたあとも、キリスト教徒は美しいその姿を破壊せず、改装・増築を行っています。

彫刻のほか当時としての技術力の高さもうかがえるのが噴水。噴水によって作られた美しい光景は、まさにアルハンブラ宮殿を象徴する光景です。

究極の対照美が具現化されています。一度は体感してみたい空間ですね。

歴史的建造物を見ることができる世界遺産⑤ケルン大聖堂(ドイツ)

ドイツは日本人にも人気の高い海外旅行先ですが、実はなんと40か所もの世界遺産を擁する国であることはあまり知られていません。中でも、ケルン大聖堂は海外からの旅行客だけではなく、ドイツ国内からも多くの観光客を集める人気の世界遺産スポットです。

1880年に完成したケルン大聖堂は、フランス式ゴシック様式のカトリック教会で、なんと、約600年以上もの歳月をかけて建てられました。ゴシック様式の建築物の中では世界最大級の規模だといわれています。重厚かつ荘厳な造りの大聖堂は、まず2つの巨大な塔が印象的ですが、内部に入っても尚、その繊細かつ華麗な美しさに圧倒されるでしょう。

教会内部を彩る数々の彫刻はもちろんのこと、なんといっても新旧の聖書を描いた色鮮やかなステンドグラスが圧巻の迫力を放ちます。

双塔の南側の塔には長い長い螺旋状の階段があり、観光客は塔に上ることができます。眼下にはケルン市街やライン河、中央駅から発着する列車が広がり、海外旅行に慣れている人でも、一生忘れられない光景となるに違いありません。

歴史的建造物を見ることができる世界遺産⑥タージマハール(インド)

海外旅行を極めた達人たちが行きつく先がインドです。そのインド北部のアーグラという地域にあるタージマハールは、誰もが一度は写真で目にしたことがあるのではないでしょうか。その優雅かつ立派な外観から、宮殿と思っている人も多いかもしれませんが、これは時の皇帝が、亡き妻の遺言に従って、実に22年の歳月をかけて建設させた霊廟なのです。

インドというと、ヒンズー教のイメージが強いかもしれませんが、こちらの霊廟はインドのイスラム文化を代表する歴史的建造物です。すべてが白亜の大理石で造られており、まるで夢のように美しいタージマハールは、今も昔も、人々を惹きつけてやみません。世界遺産には1983年に登録されました。

海外はあちこち旅行したけれど、インドに旅行するのはちょっとためらってしまう、という方でも、このタージマハールは、死ぬまでに絶対に訪れておきたい世界遺産の一つです。

歴史的建造物を見ることができる世界遺産⑦ペトラ遺跡(ヨルダン)

海外旅行通であっても、ヨルダンと聞いてもどこにあるのか、ピンとこない人の方が多いかもしれません。しかし、インディジョーンズの舞台となったペトラ遺跡の名を聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。ヨルダンは、中東にありながら治安も安定しており、他に死海リゾートも有名なため、実はとってもおすすめの海外旅行先なのです。

ペトラ遺跡は1985年に、ユネスコの世界遺産へ登録されました。ペトラ遺跡の入場料はとても高いことで有名なのですが、とても1日では見きれない広さなので、2日券を買うのがおすすめ。しかしこれでも、まだまだ発掘作業は完了しておらず、一般公開されているのは、全体の1%に過ぎないというのですから驚きです。

広大な遺跡内は、歩いて回るのもやっとどころか、急な斜面などをよじ登るような場所もあり、ロバやラクダに乗って巡る観光客も多いそう。ロバやラクダに乗って遺跡巡りというのも、ここでしか体験できない貴重な思い出になりそうですよね。

現時点では、日本からヨルダンへの直行便はないため、ドバイやフランスなどを経由して向かうことになります。海外旅行慣れしていない人にとってはちょっとハードルの高い旅先かもしれませんので、ツアーを利用するのがおすすめです。

自然が造り上げた絶景を楽しめる世界遺産

自然が造り上げた絶景を楽しめる世界遺産①ウルル(エアーズロック)

大自然の世界遺産として、多くの人が思い浮かべるものの一つが、オーストラリアのウルル(エアーズロック)なのではないでしょうか?

世界最大級の一枚岩として圧倒的な存在感を放ち、その神々しい姿を一目見ようと、世界中から観光客が訪れています。これだけ大きなエアーズロックですが、地表に現れている部分は全体の1割ともいわれています。6億年以上前に海底に堆積した砂岩が隆起し、侵食や風化によって固い部分が残ったと考えられています。

オーストラリア大陸の真ん中あたりに位置し、「地球のへそ」とも称されます。

イギリス人に発見された当時は「エアーズロック(Ayers Rock)」と呼ばれていましたが、原住民アボリジニにこの土地が返還された後、「ウルル」という原住民の言葉が浸透するようになりました。(1994年に、正式に改名)

ウルルの砂岩は鉄分を多く含み、表面には赤い岩肌が露出しています。この赤土は太陽が射す角度によって色が変わり、時間の経過によってさまざまな表情を見せてくれます。芸術的な光景を求めて、サンライズツアーやサンセットツアーが人気。

※原住民にとって聖なる土地であるウルルは、2019年10月に登山禁止となりました。

自然が造り上げた絶景を楽しめる世界遺産②スイスアルプス

多くの美しい山を擁する、山岳大国スイス。その中でも初めて世界遺産に登録されたのが、スイス最長のアレッチ氷河を含む「ユングフラウ~アレッチ~ビエッチホルン地域」です。特にユングフラウはまさに芸術的な美しさで、時間を超えて世界中の人々を魅了してきました。山岳景観美が多くの文学作品や芸術に影響を与えたという点も世界遺産の登録の際大いに評価されたと言われています。

Top of Europe=ヨーロッパ最高地点(標高3,454m)にある鉄道駅、ユングフラウヨッホ。エレベーターが設置され、スフィンクス展望台に上がると銀世界が目の前に広がります。約24kmにわたって続くアレッチ氷河です。その圧倒的な大きさと自然美には言葉を失ってしまいますね。

今問題となっているのは、地球温暖化による氷河の縮小。アレッチ氷河は19世紀以降約3kmも後退しており、そのスピードは加速的に進んでいます。この唯一無二の美しさを失わないためにも、観光客も保存活動に協力する必要がありますね。

自然が造り上げた絶景を楽しめる世界遺産③グレートバリアリーフ

最後に、海の美しさを感じられる世界遺産をご紹介。オーストラリアの東海岸に広がる世界最大のサンゴ礁地帯、グレートバリアリーフです。

約340,000平方キロメートルの広さ、長さは2,300キロメートルを超えます。数字ではなかなかピンとこないかもしれませんが、これは日本列島の北海道から九州までとほぼ同じ大きさなのです。これだけの広範囲であればサンゴ礁の魅力も地域によってさまざま。訪れる場所によって違った表情を見せてくれますよ。

グレートバリアリーフは大きく4つに分かれており、特にいろいろと設備の整っているのはウィットサンデー諸島周辺やケアンズあたり。ケアンズからは、ツアーがたくさん用意され気軽にいろいろなアクティビティに参加することができます。

自然が造り上げた絶景を楽しめる世界遺産④カナディアンロッキー