一人旅だからこそ訪れたいラオス・ビエンチャンの穴場10選

ラオス・ビエンチャン一人旅で訪れたい穴場⑤アヌ王公園の朝の散歩

ナンプー広場から西に向かって3分ほど歩いたメコン川沿いに、アヌウォン公園が広がっています。公園の一角では、アヌ王の巨大な像が、メコン川の対岸のタイをキッと睨みながら腕を振り下ろしています。まるでラオスの人々を侵略者から守ろうとしているかのように。

アヌ王は、ラオスで最も人気の高い王様の一人で、ラオスの英雄的存在です。17世紀、タイの属国として、奴隷的な身分に身を落としていたラオスの人々を率いて、タイに反旗を翻し、独立を企てた王様です。結局、独立戦争は失敗に終わり、アヌ王は捉えられ、殺されてしまいます。しかし、ラオス独立を象徴する反骨の王として、未だに多くの人々から慕われ、愛され続けています。

ラオスが本当の意味で一つにまとまり独立を果たしたのは、1975年ラオス人民民主共和国の設立以後になります。それまで、ラオスは3国に分裂し、フランスの植民地になり、ベトナムやタイに呑み込まれそうになり、米軍から史上最多と言われる爆弾を投下されながら、ぎりぎりのところで国体を存続させてきました。

今この地球上にラオスという国が存在しているのは、まさに奇跡的なことのように感じます。誇りを持って生きたいと望んだ勇士たちの血の犠牲と、したたかに生き抜く人々の生命力に支えられ、ラオスという国はやっと一つにまとまろうとしています。しかし、厳しい状況は今も続いているように思えます。

ラオスの歴史に興味がある方は、マーチン・スチュアート・フォックス氏の名著「ラオス史」をご一読ください。ラオスの歴史について、系統的に知ることができます。

アヌ王公園には、朝6時頃になると地元の人たちが、あちらこちらからやってきて、散歩やサイクリング、エアロビクスなど朝のエクササイズを思い思いに楽しみます。ラオスの国花チャンパの芳香漂う緑濃い公園を、地元の人に混じって散歩してみるのも、楽しいかもしれません。

ラオス・ビエンチャン一人旅で訪れたい穴場⑥メコン川の夕日

メコン川は、ラオス語で母なる川と言う意味を持ち、陸路交通が未発達の歴史時代において、物流や人の移動に欠かせない、ラオスの大動脈のような役割を果たしていました。ラオスの4つの主要都市、ルアンパバーン、ビエンチャン、サワンナケート、パクセーは全てメコン川沿いに発展した都市です。

ラオス人から母と慕われるメコン川の夕日を見る絶景ポイントを2つ紹介します。1つ目は、Landmark Mekong Riverside HOTEL辺りです。ホテルの前のDongchan Rdを渡ると石段があり、メコン川のすぐほとりにまで降りていくことができます。この辺り、早朝や夕方には、地元の人が釣りやジョギングを楽しんでいます。

もう一つのポイントは、アヌウォン王像からメコン川沿いのDongchan Rdを空港の方向にまっすぐに進んだところにあります。Dongchan Rd からまっすぐ繋がるQuai Fa Ngum通りに入ってVansana Riverside HotelやビアホールのMoon the Nightあたりまで行くと、河原に降りるための階段が数カ所に設置されています。

この階段を下りて、河原の砂地を歩いてみましょう。10分ほど歩くと、メコン川のほとりに着きます。ここからは、対岸のタイの町並みがはっきりと見渡せ、川岸に並ぶレストランが流す賑やかな音楽が聞こえてきます。

国境という見えない線で隔てられてはいるものの、両岸は共にラオ族の暮らす地。昔は、自由に行き来して、経済的・文化的交流を蜜に行っていたようです。ラオスとタイにまたがるラオ族の生活諸相に関しては、下記のレポートで概略を知ることができます。

ラオスにおける国境を跨いだ生活の諸相 ──複数の事例をもとにした研究課題の提示── 箕 曲 在 弘

メコンの河原の砂地を散歩するベストシーズンは、12月から7月頃まで。雨季が本格化する8月から12月頃までは、河原は水没してしまいます。

ラオス・ビエンチャン一人旅で訪れたい穴場⑦ハーブサウナ

ラオスの市場には、実に様々な種類のハーブが売られています。ハーブはラオス料理に欠かせない重要な食材で、昔から様々な種類のハーブが栽培されてきました。ハーブが豊富で安価に揃うラオスでは、ハーブサウナが人気です。美肌効果があるとされ、地元の女性の中にも足繁く通う人が少なくないようです。

ハーブサウナとは、レモングラスやユーカリ、ジンジャー、コブミカンの葉などを煮出して、その蒸気を送り込んだサウナ室で、ハーブの蒸気を浴びるというもの。亜熱帯のラオスでも、11月から1月にかけて、夜間は若干冷え込むので、暑いサウナも気持ちよく楽しめます。

良い香りに包まれてハーブの蒸気を全身いっぱいに浴びる、体が火照りだしたら外で水を浴びる。これを繰り返している内に、肌がツルツルですべすべになっていきます。飲み放題の薬草茶が用意されているので、適宜、水分補給をしましょう。

ビエンチャンにはハーブサウナが楽しめる人気のお店が数箇所あるようですが、一人旅の方にオススメなのが、ナンプー広場から歩ける距離にあるHERBAL STEAM SAUNA(バーン・チャンタブリー・サウナ)です。

Chao Anou通りに「NAZIM」というインド料理レストランがあり、オレンジ色の目立つ看板が出ています。その看板の並びに白地に紺色の文字でHERBAL SAUNA TRADITIONAL MASSAGEと目立たない地味な看板が出ています。この看板に従って路地を進むとローカル色豊かな薬草サウナにたどりつきます。サウナは2万5千キープ(約240円)、マッサージは6万キープ~(約700円~)から楽しめるようです。

ラオス・ビエンチャン一人旅で訪れたい穴場⑧コーヒーショップ

コーヒー豆はラオス第5位の輸出品目で、国の経済を支える重要な商品作物です。ラオスで一般に飲まれているコーヒー豆は、やさしい味のアラビカと、コーヒーの味が強いロブスタの2種類あります。こうしたラオスコーヒーを提供してくれるのが、アヌ王公園のすぐ向かいにあるシヌークカフェ(Cafe Sinouk)です。

お店は、ファーグム通りとファランスワギン通の交差点に位置しています。ラオス珈琲の卸売店が運営しているお店なので、ラオス各地で生産されるいろいろな種類の珈琲の味が楽しめます。

Sinouk Coffee – Official

BACAN CAFEは、日本語の本を読んだり借りたりできるお店です。南米人とラオス人の夫婦が運営している南米料理のお店で、美味しいタコスが食べられます。

同店は、日本人会から委託を受けて、2階の一部を日本図書コーナーとして開放しています。誰でも自由に利用できて、厳しい決まりごとなどは無いようです。2階で選んだ本を1階のカフェスペースで読んでもいいし、1階で食事をしたついでに、本を借りて帰り、後日返還しても問題ないようです。

場所は、サームセンタイ通りを空港の方向に進み、クーンブーロム通りを超えて、5分ほど進んだ右手にあります。

Bacan Cafe Vientiane

ラオス・ビエンチャン一人旅で訪れたい穴場⑨捨て猫支援活動のお寺

ワット・サヴァン(VAT SAVANG)には、数十匹の捨て猫たちが暮らしています。ラオスでは、犬猫に去勢・不妊手術を施す習慣がありません。野放しにして、飼いきれなくなったら、お寺に捨てれば良いと考えている人が多いようです。

お寺に捨てられた猫は、寺院の軒下などで雨露をさけ、信徒が僧侶に捧げる食事の余り物をもらって飢えをしのぎます。しかし、お寺でも繁殖を続ける猫たちは、限りある食べ物をめぐって争うため、平和の象徴の寺院が、捨て猫たちにとっては阿鼻叫喚の地獄の修羅場と化してしまいます。

ビエンチャンで日本料理屋「YOKOHAMA」を経営する岩竹綾子さんは、毎日捨て猫に餌をあげるためにワット・サヴァンに通っています。お寺の捨て猫たちの実態を知って、放っておけなくなってしまったようです。毎日忙しく日本料理屋を切り盛りする合間の時間をぬって、午後の3時前後にお寺に寄り、猫たちに餌をあげ、体調管理をし、避妊・去勢手術の手配をしています。

岩竹さんが美味しいご飯を持ってきてくれるのを、猫たちは、お寺の木々や建物の影からじっと待っているのでしょう。岩竹さんの車がお寺の白い仏塔の前に駐車したとたん、いっせいに駆け寄ってきて、わーっと岩竹さんをとり囲みます。あの光景、猫ちゃんたちの生きたい!という強い生命力を感じました。

岩竹さんの捨て猫保護活動については、下記の記事で詳しく説明しています。