目次
ラオスを観光旅行で訪れる前に知っておきたいラオスの基本情報
ラオスの基本情報①ラオスの地理と文化
夫の故郷であるラオスの首都ビエンチャンに移住して半年が過ぎました。ここではメコンの流れのように時間が静かにゆったりと流れています。
ラオスは中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミヤンマーに囲まれた内陸国です。面積は日本の本州と同じくらいのなのに、人口は約745万人と、東南アジアで最も人口密度が低い国です。ラオスは多民族国家で49の異なる民族が良好な関係を保って共存しています。
主要民族のラオ族は全人口の約60%を占めています。ラオ族、タイ族そして雲南省のダイ族は同じ系統の民族です。もともと中国の雲南省に住んでいた民族が、徐々に南下して、ラオスに住んだ人々がラオ族、タイまで南下した人々がタイ人になりました。言語も近しくお互いに言葉も通じるようです。ラオスの少数民族の中には今でもガス・水道とは無縁の原始的な暮らしを営む人もいて、公用語のラオス語を解さない人もいると聞きます。
ラオスはベトナムや中国と同じく社会主義国ではありますが、人々は上座部仏教やピー信仰を心の拠り所として暮らしています。ピー信仰というのは、精霊信仰のことです。ピーはラオ族の身近に暮らす精霊で、人を幸せにすることもあれば、わざわいをもたらすこともあります。ラオスの民家や商家・市場の店先に精霊を祀る祠があり、人々は毎日お供え物をします。
ラオスの基本情報②ラオスの人々
ラオス人は協調性を重んじ、自己主張や争いを避けます。声を荒らげるとか、怒りをあらわにする人はほとんど見かけたことがありません。たいていのことは「ボーベニアーン(大丈夫だよ)」と言って流してくれます。性格も穏やかで、日本人との相性は悪くないように感じますが、味覚や美的センスも似ているように思えます。
魚の出汁を使ったお料理、お米を材料にしたお菓子、焼き魚や焼き鳥と、多くのラオス料理は日本人の口にとてもあいます。ラオスの手織りの布やお寺の様式なども、豪華絢爛というよりは、趣深く、渋みのある美しさを感じます。
このように、自然が豊かで、穏やかな人々が静かに暮らし、少数民族がそれぞれの伝統文化を守るラオスは、欧米諸国の人々を中心に、多くの旅行者を魅了してきました。
ニューヨーク・タイムズで“世界で一番行きたい国”第1位に選ばれたこともあり、「忘れられた国」から「訪れるべき国へ」と変貌を遂げています。
ラオスの基本情報③ラオス観光の基本情報
ラオスの観光旅行に必要な基本情報は下記のとおりです。参考にしてください。ベストシーズン:ラオスは11月~4月までの乾季はほとんど雨が降らないので、観光には最適です。
5月~10月までは雨季になります。
雨季といっても日本の梅雨のように終日シトシト雨が降り続くのではなく、スコールのようにザーと降り、さっと晴れます。スコールの後は気温も下がり、木々の緑が映えて亜熱帯の色彩が楽しめます。
ラオス観光の基本情報1.ビザ
観光目的で滞在日数が15日以内であればビザは不要です。パスポートの有効期限が6ヶ月以上ないと入国できないので、注意してください。
ラオスでの滞在日数が15日を超える場合、入国時に30米ドル支払えば1ヶ月有効のアライバルビザが取得できます。
ラオス観光の基本情報2.時差
日本より2時間遅れです。
ラオスへのフライト:バンコク経由で8~13時間、ハノイ経由で7~9時間のフライトになります。価格は時期、航空会社によって異なりますが、6万円~10数万円です。
ラオス観光の基本情報3.通貨
通貨はキープ(kip)です。
2020年4月現在のレートで換算すると、1キープ=0.02円、1円=83キープになります。
ラオス観光の基本情報4.物価
食事にかかる費用は日本の半額くらいです。
麺類なら1万~2万キープ(約120円~240円)、定食なら3万~5万キープ(約360~600円)、小奇麗なレストランで食事しても一人10万(約1200円)キープあれば十分です。
ホテルの価格は東南アジアでは高めですが、市の中心部の中級ホテルに1部屋50米ドル以下で泊まることができます。安価なゲストハウスであれば、1人1泊8~15ドルくらいです。
ラオス観光の基本情報5.交通
公共の交通機関が発達していないので、旅行者はレンタルサイクルか、トゥクトゥクを利用することになります。トゥクトゥクは旅行者が利用すると1回5万~10万キープ(600円~1200円)かかります。
体を鍛えるために歩いて回るという方は、足元が悪く日差しが強いので運動シューズと帽子をお忘れなく。
【ラオスの観光旅行で必ず訪れたい】首都ビエンチャンの観光地
ラオスを象徴する国家的な寺院、タットルアン
16世紀半ば、セーターティラート王はルアンパバーンからビエンチャンへの遷都を敢行します。遷都後、王の権威を顕示し国の平和を祈るためタートルアン寺院を建立しました。
寺院の前にはセーターティラート王の像が座っています。親しみ深い風貌で、王というよりは、切り株に腰を下ろしたきこりのおじさんに見えてしまいます。皆さんにはどんな風に映りますか?
フランス植民地時代の名残を残す凱旋門、パトゥーサイ
入口で3000キープ(約40円)払って展望台まで階段を上りましょう。ビエンチャンの拡がりが一望できて圧巻です。観光を始める前に、ここに登って街全体の様子をつかんでおきましょう。
パトゥーサイの建物は1960年代に内戦の勝利と戦死者の慰霊のために建設されました。パリの凱旋門を模した外観は西洋風ですが、壁面には仏像が彫刻され、天井の壁画はヒンドゥー教の神々が描かれています。東洋と西洋が見事に調和した、荘厳な雰囲気漂う建造物です。
コープ ビジターセンターCOPE Visitor Centre
コープ ビジターセンターは内戦時代に投下された不発弾による被害を伝える資料館です。1960年代、植民統治からの真の独立を目指すインドシナの国々はアメリカからの爆撃にさらされました。
なかでも、ラオスにはクラスター爆弾が雨あられのように落とされました。当時300万の人口に300万トンの爆弾が落とされたというから、一人1トンという凄まじい量になります。
クラスター爆弾は、不発弾が多いことでも有名で、今でも外で農作業をする男性や元気に駆け回る子どもたちが手足や命を失っています。ラオスでもシェンクアーン県(ラオス東北部)など多くの地域で、不発弾が大量に残っていて、毎年のように犠牲者が出ています。
コープビジターセンター館内には、不発弾で手足を失った人のために作製された義足や、被害地域の人々が爆弾の破片を加工してつくった生活用品など、爆弾投下の凄まじさについて分かりやすく展示されています。
館内にはビデオコーナーも設置されています。
「不発弾が爆発して、外で遊んでいた次男は血まみれで家に運ばれてきました。村の診療所には輸血用の血がなくて、子どもは喉が乾いた、水が欲しいと言いながら死んでいきました。」
涙を流しながら訴える母親の姿が脳裏に焼き付いて離れません。
メコンの夕日
メコン川は東南アジアで最も長い川です。中国のチベット高原から流れ出て、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムと6つの国を4200キロメートルにわたって流れ南シナ海に抜けます。
ラオスでは首都ビエンチャンを始め、ルアンパバーン、タケーク、サバナケット、パクセーと主要都市は全てメコン川沿いに拡がっています。人々はメコン川で物を運び、魚を捕り、水をくみ、体を清め暮らしています。
美しい自然やのんびりとした人々の暮らしに溶け合ったメコン川の景色、なかでもメコンに沈む夕日は絶景です。
メコン川は雨季と乾季では水位が数メートルも違います。地図でメコン川と記された場所でも、乾季に行くとカラカラに乾いた砂地になっていたりします。
観光で訪れる夕日の絶景ポイントも雨季と乾季では異なります。乾季であれば、Landmark Mekong Riverside HOTELの前がメコン川の夕日を眺める絶景ポイントです。Dongchan Rdを渡ると石段があるので、降りていくとメコンのほとりに出ます。
市の中心部アヌ王像からメコン川沿いのDongchan Rdを自転車で20分ほど南(友好橋方面)に向かうとLandmark Mekong Riverside HOTELに着きます。観光客は見かけませんが、地元の人はジョギングや釣りを楽しんでいます。
雨季はアヌウォン王像からDongchan Rdを空港の方向に進み、Quai Fa Ngum通りに入ってVansana Riverside HotelやビアホールのMoon the Nightあたりが夕日の絶景ポイントです。
【ラオスの観光旅行で必ず訪れたい】世界遺産
ルアンパバーンの町(1995年に世界遺産に登録)
ルアンパバーンは14世紀に建国されたラーンサーン王国の最初の首都です。16世紀に首都はビエンチャンに遷都されますが、18世紀に入ると再びルアンパバーン王国の王都となり、フランス植民時時代も王都としての位置づけは変わりませんでした。
街にはラーンサーン王国時代に建立されたラオスで最も美しいと言われるシェントーン寺院、植民地時代まで王族が暮らしていた王宮を利用して開設されたルアンパバーン国立博物館など見所がたくさんあります。
街が一望のもとに見下ろせるプーシーの丘には、朝一で上りましょう。街やメコンにモヤがかかった神秘的な光景が見渡せます。
ルアンパバーンが位置するラオス北部の各県はクム、アーカー、モン族など少数民族が多く暮らしています。伝統芸術民芸センターにはこうした少数民族の分布、暮らし、文化が分かりやすく展示されているので、立ち寄ってみてください。
チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群(2001年に世界遺産に登録)
ワット・プー遺跡は11世紀にクメール人によって建立されたヒンドゥー寺院です。忘れ去られてしまったかのようにひっそりと自然の中に佇む遺跡です。
山の中腹の神殿から遺跡全体が見下ろせます。ここに座って遺跡を眺めると、古代クメールの人々の暮らしが目の前に蘇ってくるような気がします。
シェンクアーン県ジャール平原の巨大石壺遺跡群(2019年に世界遺産に登録)
シェンクアーン県はモン族が多く暮らす地域です。内戦時代にアメリカからの激しい爆撃にさらされたことでも知られています。
ジャール平原遺跡群は名前が示すとおり、巨大な石壺が何百個も並ぶ遺跡です。この巨大な壺が、誰によっていつ、何に使われていたのか、長いあいだ謎とされてきました。ラオス人はお酒が大好きなので、酒を貯蔵した壺という説もあったくらいです。
その後の発掘調査で、紀元前500年ころから、クメール系の人々によって埋葬に使われてきた石壺だということがわかってきました。未だに解明され尽くしていない謎多き世界遺産です。
ラオスの観光旅行で必ず食べたいもの
ラオスのお料理 モチ米、焼きもの、香味野菜
ラオス人の日々の食事に欠かせないのは、モチ米と、香辛料・香味野菜と、焼き魚です。もともとラオス人は3食モチ米を食べていました。都市部では、フランス料理を始め、タイ、日本、韓国、イタリアンなど各国の料理が普通に楽しめますが、農村部では今でもモチ米と焼き物、お野菜が中心の食事です。
モチ米だけだと味がないので、各家庭で作ったタレをちょっとモチ米に浸して口に運びます。タレは香菜・香辛料と魚を発酵させた調味料を鉢に入れてすり棒で搗いて味を出します。
野菜はかぼちゃやヘチマを、モチ米と一緒に蒸して食べたりします。塩をまぶしてバナナの皮に包んで炭火で焼いた魚も絶品です。
麺類
ラオス人が最も好んで食べる麺はフォーです。ベトナムから伝わってきたのでしょう、米麺と出汁の効いたスープが特徴的です。うどんのようなモチモチ食感が美味しいヴィアックも朝食やお昼のメニューとして人気があるヌードルです。
スイーツ
ラオスでぜひ食べたいのが、各種のスイーツです。お米で作ったモチモチツルツルの食感のデザートに、ココナッツミルクをたっぷりとかけたナム・ワーンはやみつきなる美味しさです。
ラオスの観光旅行で体験したいお祭りや宗教儀礼
タートルアン祭り
タートルアン祭りは毎年11月に首都ビエンチャンのタートルアン寺院で開催される国家的なイベントです(2020年は10月31日開催予定)。仏教にまつわる公式行事は三日間にわたって行われます。最終日の朝7時から執り行われる大托鉢式には、ビエンチャン周辺から数千人もの僧侶が集まります。
ビエンチャンの老若男女数万人は托鉢用のモチ米、お菓子、お金などをいれた銀の入れ物を抱え、日の出前からタートルアン寺院に続々と集まってきます。仏塔の内側の広場も外側の広場も祈祷所も寺院本堂も、とにかくタートルアン周辺の空間は全て托鉢に訪れた人人人で埋め尽くされ圧巻です。
お祭りの期間中、タートルアン寺院広場では屋台や洋服・植木を売るお店が並びます。この間、子供から老人まで、富裕層も庶民も、家族や友人と連れ立って買い物やそぞろ歩きを楽しみます。
ブン・ピーマイラオ(水かけ祭り)
ブン・ピーマイラオ(水かけ祭り)とはラオスのお正月のことです。毎年だいたい4月13日~15日に行われます。人々は大音量でラオス民謡を流し、水を掛け合い、塗料をだれかれかまわず塗りたくって陽気に新年を祝います。
大騒ぎするだけではありません。家族や親戚と連れ立ってお寺にお参りして、仏像・僧侶に灌水し、普段身につけているお守りに聖水をかけて1年の汚れを洗い清めます。
※今年は新型コロナウイルスの感染拡大を恐れた政府が外出禁止令を敷いたので、ラオスのこれまでの歴史ではありえない、静寂のお正月となりました。
その他のお祭り
上記の他にも、旧暦11月に行われるボートレース祭りや(2020年は10月3日開催予定)、旧暦8月のブン・カオパンサー(入安居祭、2020年は7月5日)、旧暦11月のブン・オークパンサー(出安居祭、2020年は10月1日)などが、有名です。
ラオスの観光旅行で堪能したいマッサージ・スパ・サウナ
ラオスの最大の魅力の一つは人です。1930年代に鋭い観察眼でインドシナを見ていたバージニア・トンプソンは著書『フランス領インドシナ』に「ラオス人は穏やかな愛想の良さや美しい風貌でフランス人でも魅せられている人が多い」と、記しています。
ラオス人は物腰が優雅で落ち着いていて、一緒にいるとリラックスできるのだと思います。そんなラオス人にマッサージをしてもらうと、心も体もゆっくりと休まります。
バーン・チャンタブリー・サウナは地元の人が楽しむリーゾナブルな薬草サウナです。マッサージもあるので時間があれば行ってみてください。
薬草サウナ(HERBAL STEAM SAUNA)のバーン・チャンタブリー・サウナ
Chao Anou通りに「NAZIM」というインド料理レストランがあり、オレンジ色の目立つ看板が出ています。その看板の並びに白地に紺色の文字でHERBAL SAUNA TRADITIONAL MASSAGEとわかりにくい看板が出ています。この看板に従って小道を進むとローカル色豊かな薬草サウナにたどりつきます。
サウナが2万キープ(約240円)、マッサージは6万キープ~(約700円~)その他、チャンパスパもマッサージの腕がよいと評判です。
チャンパスパ: Fagum RdとPangkham Rdの角にあります。フットマッサージが1時間10ドルです。